リユースでもっと楽しく! RECOLIFE リコライフ

家族の想いが込められた

プロスノーボーダー・岩垂かれんさんを
支えるモノとは

雪上をスリリングに駆け抜けるスピード競技・スノーボードクロス。その第一線で活躍するプロスノーボーダー・岩垂かれんさんは、15歳で日本スノーボード協会(JSBA)公認プロライダーとなり、現在はヨーロッパやカナダ、ニュージーランドなど、海外の大会に積極的に参加しています。
彼女のハードな競技生活を支えているアイテムが母からもらった指輪。なぜ指輪が精神的な支えになっているのか、そして競技シーンをサポートするスノーボードアイテムにはどのようなこだわりがあるのか、岩垂さんを取り巻くさまざまな“モノ”についてお話を伺いました。

試合に臨む勇気をくれる、
母からの贈り物

指輪との出会いを教えてください。

祖母と母がアクセサリー好きで、私もその影響を受けて指輪が好きなんです。この指輪は20歳の誕生日記念に母が贈ってくれたもので、一緒に選びに行きました。いくつかのお店を見て回ったなかでこのデザインに一目惚れしましたね。それ以来ずっと愛用している思い入れのある指輪です。実は20歳の誕生日から、毎年1つずつ指輪をプレゼントしてもらっています。

指輪はいつも着けているのですか?

日常生活はもちろん、滑走中もずっと着けています。ウェアを着て身支度を終え、最後に指輪を着けると「よし、行くぞ!」ってスイッチが入るんです。スノーボードクロスは、スタート時にゲートを引いて飛び出すのですが、その時に指輪の存在を感じることでより気合いが入りますね。

選手のなかには『競技中のアクセサリーは邪魔になる』という人もいますが、私は慣れてしまったので気になりません。

この指輪をもらった直後に世界選手権に挑んだのですが、とても緊張していたシーンも指輪に触れることで気持ちを落ち着けることができました。時には着け忘れたことに気付いて、取りに戻ったこともあるんですよ。それだけ私にとって、この指輪はお守り的な意味合いもあり、精神的な支えになっています。あまりにもずっと着けているので、すっかり傷だらけになってしまいましたが、味が出ていい感じになってきたと思っています。

指輪にはご家族のどんな気持ちが込められていると思いますか?

スノーボードも父と母と一緒に始めたくらい仲が良い家族なんです。競技での活躍を喜んでくれる反面、ケガなどを心配する想いが込められているのを感じます。これからもずっと大切にしていきたいです。

勝敗を左右する!
プロならではのウェア・ボードの選び方とは?

スノーボードウェアを選ぶ時にも、プロとしてのこだわりがあると思います。まず機能面ではどんな点を重視していますか?

動きやすさですね。スノーボードクロスは足だけでなく、意外と腕を使います。なので、腕をスムーズに上下に動かせるか、肩の可動域を必ずチェックしています。素材はGORE-TEXが好きですね。薄くて温かく、インナーをあまり着こまなくてもいいところがお気に入りです。気温が氷点下になるヨーロッパでも頼りになりますね。また、接触や転倒といった危険も伴う競技なので、ウェアの下の背中部分には脊椎パッドが必須。そういった装備を着用しても、あまり着ぶくれしない細身のタイプを選んでいます。あと、腕にリフト券入れが付いているかも確認しています。リフト券が出し入れしやすいし、失くす心配もなくなるので(笑)。

ファッション面でのこだわりはありますか?

カラーでいえば黒が好きで、よく取り入れています。特に黒いボトムは上に何を着ても合わせやすく、そのまま出かけることもできちゃいます。黒いブーツを履くことが多いので、スタイルアップ効果もありますし、何よりカッコ良く見えるというところもポイントですね!

たくさんのウェアをお持ちだと思いますが、現在は何着ほどお持ちですか?

ちゃんと数えたことはないのですが、50着以上はあると思います。スポンサーがついて以来、1シーズンにサンプルと本番用あわせて何着かいただいているので、なかにはそこまで着込まないまま眠っているウェアもあります。まだ使える状態のウェアは友人に譲ることも。これもある意味、リユースなのかもしれませんね。

ボードを選ぶ時にこだわっているポイントを教えてください。

花柄のデザインが好きなので、これまで何本も使ってきましたね。小学4年生でスノーボードを始めた時も、花柄のボードを買ってもらってすごくうれしかったことを覚えています。中学1年生から黒地に押し花をあしらったボードをずっと愛用していて、本当にお気に入りだったので何本もリピートしました。残念ながら今はもう入手できなくなってしまったので、自分で花柄のボードをデザインしたこともありました。

ボードのメンテナンスはどのようにされていますか?

ボードのメンテナンスで重要なのが、ソールの酸化を防ぐためのワックスを塗ることです。ボードは何もしないでいると、どんどん酸化して滑りが悪くなってしまうので、手入れは欠かせません。競技時には長さや硬さが異なるボードを3本持っていき、ボードに合わせてワックスのかけ方を変えています。そして、競技中は毎日、何回もボードにワックスをかけます。

ワックスにはいくつか種類があるのでしょうか?

さまざまな種類があるので、どれがその日によく滑るか選ぶところから考えます。なかなか難しいのですが、雪温を測り、ワックスの塗り方を工夫し、場合によってはフッ素を入れるかどうかの細かな判断が必要になることもあるんです。なので、まるで科学の世界のようです。ワックスでタイムが変わるので、予想が当たるとすごくうれしいですね。選手同士で情報交換したり、先輩の塗り方を真似たりして学んできました。作業自体は1回2~3時間かかります。ちなみに、日本の選手は自らメンテナンスを行っていますが、海外では「ワックスマン」と呼ばれる専門家がいるほど緻密な作業なんですよ。

ビギナーはビジュアル重視でもOK!
ケガ対策も万全に

スノーボード初心者の方へ、ウェアを選ぶ際のアドバイスをお願いします。

ウェアはデザインで選んでいいと思います。やっぱり好きなデザインのものを身に着けると、テンションが上がって楽しくなりますから。友人からもどんなウェアがいいのかと聞かれますが、『せっかくゲレンデに行くのなら普段は着ないようなちょっと派手なものを選んだら?』とアドバイスすることが多いですね。

はじめてのボード選びのポイントも教えてください。

ボードに関しても、最近は質の高いものが多いのでデザイン重視でいいと思います。私も最初はデザインで選んでいました。また、自分に合ったボードを選ぶために、長さや硬さもチェックしてみてください。長さは身長からマイナス10~15cmくらい、女性なら肩のラインくらいでもいいかもしれません。適切な長さを選べば操作性がよくなります。それと、あまりにも硬いボードを選んでしまうと、脚力が足りなくて起き上がれなくなってしまう場合もあるので、自分の筋力に見合った硬さであることも大事です。

ほか、初心者が気を付けなくてはならないことはありますか?

ケガを防ぐために帽子やゴーグル、手袋などは必須です。ゲレンデで帽子をかぶらずに滑る人を見かけますが、これはとても危険です。帽子の厚みは頭を打ってしまった時に、衝撃を和らげてくれる役目があります。私たちのようにヘルメットをかぶれとまではいいませんが、帽子は絶対にかぶった方がいいと思います。あと、転んだ時の痛みを緩和してくれるお尻パッドもおすすめです。安全対策をしっかり行って、スノーボードを思いっきり楽しんでください!

INTERVIEW GUEST
  • スノーボーダー
    岩垂かれん

    15歳より日本スノーボード協会(JSBA)公認プロライダーとして大会を転戦。
    スノーボードクロスに競技を絞り、現在は海外の大会をメインに活動する日本を代表する選手。
    またプロモーション撮影やイベントにも積極的に参加している。

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ライター紹介

五十嵐綾子

編集プロダクションにてエンタメ、グルメなど幅広いジャンルの情報誌編集を経てフリーライターに。現在は旅行系、同世代の女性向け記事を中心に執筆中。